黒字倒産とは
売上が発生している状態で、仕入や経費の支払いに資金が足りなくなり倒産してしまうことです。
考えられる要因としては利益管理と資金管理ができていないことが考えられます。
毎月利益がどれだけ発生しているか、どれだけ資金が増えているかを確認することが重要です。
特に過去・現在・未来の時間軸で考えていく事が大切かと。
過去…どの商品が売れたか、どのような支払が生じたか、要因や時期を把握しておく
現在…どのような状態(利益水準、現預金や回収されていない債権がないか)になっているか
未来…どれくらいの売上が上がりそうか、大きな支出はあるか、支出があるとするならば資金は足りているかなど予測。
「当然」と思わる方もいると思うかもしれませんが、開業間もない方や時間が無くて把握できない、売上や経費の会計ソフトへの入力が間に合わない方など把握できていない原因は色々あります。
私自身も、自分の業績管理を日々会計ソフトに入力していますが時間が無くて入力が追い付いていない時はとても不安に感じるものです。
そもそも利益はどの利益を言っているのでしょうか。
簿記を勉強されたことがある方でしたら既にご存知かと思いますが利益は色々な種類があります。
・売上総利益(粗利益)…売上から原価を引いた金額
・営業利益…売上総利益から営業に必要なや会社(事業)運営に必要となる費用を引いた金額で会社の本業の儲けをあらわす
・経常利益…営業利益に加えて、本業以外の収入や費用を加味して金額を求めます。
・当期純利益…最終的な事業の活動の成果となります。
金融機関から借り入れる際に重視される指標は「営業利益」や「経常利益」になります。
なぜでしょうか?
営業利益…本業での収益力
経常利益…利息を払ってでも利益がでるか確かめるため。
常日頃から意識していかなくてはいけない指標になります。
黒字倒産の危機をどのように把握するか
まず、1か月のお金の支払金額と収入金額がどの程度か確認する必要があります。
例えば50万円の売上を上げて入金されても55万円の経費の支払いや借入の返済があればトータルで5万円のお金がマイナスになってしまいます。
この場合55万円(経費が45万円、借入の返済が10万円)とするならば、利益は10万円発生していますが、借入の返済は利益の計算からのぞかれるため、資金としては△5万円となります。
次に直近で大きい支払いがないか確認する必要があります。建物や車など金額が大きいものを買う予定があるか。
大きな外注費を支払う予定がないかなど。
預金に余裕があれば気にする必要はありませんが、流動比率も目安になります。
会社の安全性を表す比率で、「流動負債÷流動資産×100」となります。これが150%を超えているとひとまず良いとされ100%を満たさないと資金繰りが厳しい状況です。
支払う資金源が不足している状況になります。
「流動」とは1年以内にお金が入ってくる(資産)出ていく(負債)性質の勘定科目が属する貸借対照表上の区分になります。
対策
売上が上がっているからokとしてはいけません。
「売上→入金」で取引は完結するからです。
売上が上がっているけどお金がないと感じている方は、
短期的な視点から
①自己資金の投入
②可能であれば金融機関からの借り入れ
③固定資産の売却
長期的な視点から
①未入金の売掛金がないか
②不必要な経費の支払いが多くなっていないか。
③売上の増加額に比べて売上原価の増加額が多くなっていないか。
黒字倒産は避けなくてはなりません。そのためには常に資金繰りに気を配ることが必要となってきますので、是非月次で利益・資金繰りの把握をおすすめします。
最後までお読みいただきありがとうございました。